セブンとの再開第1回団体交渉(2022年5月30日)の報告

セブンとの再開第1回団体交渉(2022年5月30日)の報告

2022年8月20日作成

(1)5月30日、団体交渉が再開された。2019年7月5日開催予定だった団体交渉が当日になって突然拒否され、その後コロナ禍ということもあり開催されないままだった交渉がようやく再開された。 

 交渉は、東京四ッ谷において、ユニオンから委員長、書記長、その他組合員が参加。東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーも参加した。会社側からは、人事部責任者と会社代理人弁護士、他2名が参加した。

 交渉は、もともと2019年7月5日に予定されていた団体交渉における交渉事項として組合が要求していた項目について逐条的に協議、交渉した。

(2)要求していた「就業規則改訂にかかわる労働者代表選挙の資料」の開示

 まず、2019年4月1日に行われた地域合同労組・千曲ユニオンとの交渉で提出を会社が約束していた書面(2019年3月21日に投票結果が公表された労働者代表選挙の「有権者数、投票者数、得票数」を示すもの、ならびに就業規則の変更について聴取した労働者代表の意見書)が提出された。

 これに関しては、職場労働者代表に選出されたT氏が署名した「就業規則改正への意見書」には「特にありません」と書かれていたことが議論になった。

 法律的に問題があるわけではないが、T氏が、就業規則の変更点について理解したうえで、かつ職場労働者の諸意見を取りまとて「意見書」に記しているのか疑問であると、ユニオンは指摘。

 長野県労働委員会での審理において、T氏は代表選に立候補するにあたって管理職であるK氏から「出てみないか」と促されたことがあったと言明しており、労働者代表の選出が「使用者の意向によって選出」されている疑いもあることも指摘した。

 この点は、今後のさらに追及していくことになる。

(3)「異常時におけるオーナーの裁量を認める文書」開示を要求

 千曲ユニオンが要求していた「災害、天変地異、オーナーや家族、従業員の健康不安や不幸、冠婚葬祭など『異常時』についてオーナーの裁量を認めるルール文書」の提出について協議した。

 会社は、「オーナーの話しで義務的交渉事項ではない」と回答したが、同時に「2021年9月改訂の災害マニュアルがある」ことも明らかになった。

 ユニオンは、2018年2月福井の大雪の事件や長野での水害などを例に、「災害対応は、オーナーの話しだけではなく、OFCの労働条件にも関連することである」と主張し、「災害マニュアル」を次回団体交渉で開示するように要求した。会社は持ち帰って検討すると回答した。

(4)「時短はオーナーの裁量」をめぐって時短妨害の事実を追及

 「時短はオ-ナーの判断に委ねる」とする永松社長の方針(日経2019年6月14日)をめぐって協議した。

 会社は、ユニオンの質問に対して「オーナーの裁量という永松見解は全社的方針である」と言明したが、ユニオンの「社員がこの方針と別の指導を店舗に行った場合は就業規則違反として処分するか」という質問には、会社は追及を恐れて「その話しの着地点はどこなのか?」とはぐらかした。

 「永松見解についてオーナーの一部は信用できないと言っていることを知っているか」という質問にも「知っているとは申し上げられない」と回答。

 「時短実験の場合、店に配送を受けるために従業員一人はおかないとならない、としているのは業者同士の関係に本部が介入することにならないか」や「雑誌の納品についてはどうか」、また「24時間営業のためのインセンティブチャージがあると時短しにくいので廃止すべき」というユニオンの質問や要望には、「経営事項だから回答しない」と回答拒否。

 「そうやって事実上24時間を強制しているのではないか」というユニオンの質問にも、「強制はしてない」とすり替える回答。

 「現場では、時短は利益になりませんよ、とオーナーの独立性を阻害する行為をおこなっている事例があるが、こうした事例の管理者は処分すべきだ」とユニオンが追及したが、会社は「個別の具体的事例を聞かないと応えられない」「管理者を処分すべきとは思わない」と回答。

 ユニオンは、「おでんを勝手に発注した社員は処分されている」「永松は教唆にあたり処分すべき」と追及。会社は「事実を承知していないので返答できない」「個別の話しには答えられない」とごまかした。

 追及にあわてたのか、こうしたやりとりの後に、「オーナーとの信頼関係を失墜させた場合の懲戒規定を労使協定にする、というユニオンの考えは何を意図しているのか?」と逆に質問してきた。ユニオンは、「セクハラ、パワハラなど厚労省もガイドラインなど出して厳しくなってきている。オーナーとの信頼関係を失墜させる社員の側の不法行為には厳しく規制を加えたい」と回答。

 さらに、「オーナーヘルプ制度が機能していないことを承知しているか?」というユニオンの質問に対して「社員の労働条件ではない」と回答したが、これには「おかしい!ヘルプに入るのは社員だ。社員が超過勤務するしかない。完全に労働条件ではないか」と追及。

(5)「深夜休業ガイドライン」の開示を要求

 ユニオンは、こうした2019年7月予定されていた団体交渉での交渉事項を逐一質問した上で、その後の動きがあって会社が時短ガイドラインを作成して、社員に「優越的地位の濫用にあたる」から注意するようにと指導している事実をつかんでおり、それに踏まえてさらに追及した。

 「2019年末には経済産業省の調査や提言があり、2020年9月には公取委のアンケート調査がなされ、2021年4月にはフランチャイズ・ガイドラインが改定され、24時間を強制すれば独占禁止法に違反すると明確に示されたので、会社も同様に判断して社内マニュアルを出した、ということでいいか?」と質問したところ、会社は「公取委の判断だけではない、会社としての判断もあっての二本柱」とあたかも会社自身が時短を計画していたかのように取り繕ったが、ユニオンがつかんでいた時短マニュアル=「深夜休業ガイドライン」を作成していることを認めた。

 そこで、ユニオンは、「深夜休業ガイドラインを次回団体交渉で開示してほしい」と求めた。団体交渉は、ここで予定していた2時間が経過し、「次回継続」を確認して終了した。

 次回団体交渉は、6月21日長野県上田、8月8日四ッ谷、9月6日上田の予定。(6月21日、8月8日団交の報告は近日中に行います。)

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