セブンイレブン本社人事部との団体交渉開かれる!
コンビニ関連ユニオンとして団体交渉かちとる
2020年2月3日、コンビニ関連ユニオンと セブン-イレブン・ジャパン 本社人事部との第1回団体交渉が長野県上田市勤労福祉会館で開かれました。第1回、と言っても、長野の千曲ユニオンとして、河野委員長の降格減給処分とOFCの長時間労働、自爆営業などの 問題を中心に10回にわたって団体交渉は行われてきました。それを引き継ぐという面と、新たにコンビニ関連ユニオンとして、ついに団体交渉を開催させたという面があります。
昨年2月のセブン東大阪南上小阪店オーナーの松本さんの闘いから始まった時短営業や元日休業問題、セブンペイの破綻、残業代未払いや無断発注問題…この一年は、日本社会にコンビニの問題が大きく知れ渡り、大きな共感と怒りを巻き起こす一年でした。
セブン本社は、昨年末、誠実な交渉を行うことなく松本オーナーとの契約解除を一方的に行いました。現在、裁判を軸に松本さんの契約解除の闘いが続いています。またコンビニ関連ユニオンが呼びかけてきた公正取引委員会への集団申告は、ついに公正取引委員会の本格的なコンビニ全店アンケート調査へと事態を動かしました。独占禁止法に言う「優越的地位の濫用(らんよう)」は客観的な証拠をえて、コンビニ本部とオーナーとの力関係は大きく変わる局面に入るでしょう。コンビニ関連ユニオンは、この過程を松本さんと団結してともに闘ってきた者として、松本さんの支援に全力をあげるとともに、さらなる運動の前進を決意しています。
そうした中で、ついに開催されたセブン本部との団体交渉。
セブン本部は、運動の前進、世論の圧倒的な共感という状況の中で、この状況を作り出す一つの柱として奮闘してきたコンビニ関連ユニオンを、何とかして押さえ込みたいと動いてきました。本部OFCたる河野委員長に対する減給・仕事外し、度重なる懲戒の脅しと弁明の聴取、団体交渉拒否…。長年にわたる長時間過酷労働と本部による嫌がらせにより、うつ病と闘いながら、この過程を河野委員長はふんばりぬいてきました。コンビニ関連ユニオンとしての第1回団体交渉の開催は、この過程の勝利を確定するものでした。
残業をめぐる36(さぶろく)協定
今回の交渉の議題は、本部社員の36協定をめぐる問題でした。
コンビニ関連ユニオンは、オーナーの過酷労働の問題こそ最大のコンビニ問題である、オーナーの生活と命を守ることこそが、最大のテーマであると考えます。当たり前のように「年中無休」で働き続けるオーナーは数知れません。
このような現実がなぜ生み出されるのか、どうやったら人間らしい働き方を取り戻せるのか?…コンビニ関連ユニオンは、まずは本部社員が労働基準法を守らせることこそ、大前提であると考えます。
オーナーには労働基準法は適用されません。しかし社員や店舗従業員には労働基準法が適用されます。労働基準法は一日の労働時間を8時間と定めています。原則一日8時間以上の労働は禁止されています。一人の労働者が一日8時間働く、それを前提に経営者は業務を回すように必要な人員を確保しなければなりません。それで業務も回るし、労働者も人間らしく生きていける賃金を得ることができる、というのが、憲法と労働基準法の趣旨です。企業・雇用主は、労働基準法を守らなければいけません。
ところが、それが破壊されています。残業当たり前、賃金だって最低賃金守れば問題ない…。コンビニもそれを破壊した犯人の一人です。こういう犯罪が野放しにされているから、オーナーが苦しむのです。すべての矛盾のしわ寄せを受けて、たくさんのオーナーが殺されています。
コンビニを変えることは、労働者・働く者の生存権を守ることです。だから本部社員が、労働時間についてのルールを本部に守らせることが第一に重要です。
「36(さぶろく)協定」とは、労働者を一日8時間をこえて働かせる(残業させる)場合に、必要な手続きです。会社・雇用主は、その事業所の労働者の代表と、「労使協定」を結ばないと、残業をさせることができません。あるいは「変形労働時間制」を採用して、一日の所定労働時間を8時間よりも長くする場合(その分他の日は短くするということ)にも、この労働者代表との労使協定が必要になります。この「36協定」や「変形労働時間制」についての労使協定は、一年ごとに締結しなければなりません。
労働者代表選挙とは
ここで問題になるのが、労働者代表の選び方です。過半数が加入する労働組合があればその代表が、労働者代表になります。しかし今はそんな労働組合がある職場の方が少ないです。
セブンのように、労働組合がない場合には、毎年事業所ごとに労働者代表を選ばなければなりません。ここで注意しなければいけないのは、労働者代表は、労働者が自主的に選んで決める、自分たちの代表でなければならないという原則です。
セブンは、長年、労働者代表を会社が指名したり、36協定を締結することなく、違法に残業を指示してきました。河野委員長の告発と闘いで、これについては明白な労働基準法違反であることが明らかになっています。
36協定違反も
昨年、相次ぐセブン本部の不祥事や消費増税などで、会計の労働者の業務量は大幅に増加しました。セブン本部は、ペーパーレス化で業務の合理化をはかるという方針でもありました。合理化に伴う人員削減と新たなシステム導入が同時に現場におそいました。
長野では、さらに10月の台風被害がおそいかかりました。河野委員長が勤務する上田では、橋が流され、電車が動かなくなりました。水没した店舗では、お客さんから預かった公共料金の支払い用紙がびしょ濡れになって、それを乾かすところから始めなければいけない状況でした。
会計従業員は、かつてない残業をしなければいけない状況になりました。自分の家や親戚・友人が被災したり、通勤ができないなど、自分自身が大変だというのに、です。
団体交渉では、この問題について話し合いました。明らかになったのは、36協定違反の状態があったということでした(会社は特別条項があるから、大丈夫だという認識も示しました)。
組合からは、そもそも労働時間の管理がきちんと行われているのか、問いただしました。特別条項があるから、では済まされない問題であるとも指摘しました。
民主的で自主的な労働者代表選挙を
いずれにしても、来年度の36協定の締結が3月末に迫る中で、オーナーの長時間労働などの問題を解決していくためにも、セブンの36協定締結と労働者代表選出の過程は、とても重要であるとの指摘を行いました。そして以下の内容について、申し入れました。
- セブンはインターネットを利用したネット選挙によって、労働者代表を選出する仕組みを昨年から導入したが、労働者代表選挙を、労働者が組織する選挙管理委員会を設置して、民主的議論の中で民主的方法で行うべき。
- 時間がなくてむずかしいのであれば、最大限、労働者の自主的な選出過程にするように本部が協力すること。
- 最低限、インターネットでの選挙が、秘密選挙として、投票の秘密が保証されていることを明らかにして、労働者に知らせること。
- 労働者代表選挙立候補者には、自らの36協定に関する立場や意見を自由に職場労働者に宣伝する権利を保障すること。
本部として、現実的にむずかしいが、大きな考え方としては、組合の意見を受け入れて、前向きに検討することとなりました。
闘えば、職場を変えることはできる。職場を変えることが、コンビニの現状を変えることになる。コンビニ関連ユニオンは、さらにがんばります。
本部社員の皆さん。河野委員長とともにコンビニ関連ユニオンに加入して、力を合わせましょう。オーナーの皆さん、コンビニ関連ユニオンにお気軽にご相談ください。店舗従業員、配送ドライバー、工場労働者の皆さん、関連労働者や他のフランチャイズオーナーさんもご相談ください。いっしょに声をあげましょう。
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