セブンとの団体交渉(上田地区事務所関連2022年6月21日)の報告

セブンとの団体交渉(上田地区事務所関連2022年6月21日)の報告

2022年8月21日作成

(1)会社からのの資料提出

事前にユニオンから会社に対して求めていた資料の提出を受けた。

 ①上田地区事務所における2019年、2020年、2021年労働者代表選挙の有権者数、投票数、得票数。

 ②労働者代表の任務を行った資料として、就業規則の改定通達、これに関する労働者代表の意見書、2022年2月16日から2023年2月15日までの特別条項付き36協定書

 ③セブンの健康相談、メンタルヘルスに関する資料、従業員ヘルプライン資料

(2)労働者代表選挙の民主的運営のありかたについて協議

 ユニオンからは、来年度にむけて、就業規則改正や時間外労働協定(36協定)にかかわる労働者代表選挙をより民主的に行うべきと要求した。とりわけ、投票の秘密性の確保という課題を提起した。

 2018年当時の千曲ユニオン時代の交渉で、労基法違反の事実が問題になり、それまでの全国一事業場扱いの一括選挙から2019年から各事業場ごとの選挙に改められる一歩前進があった。しかし、誰が誰に投票したかが人事労務部が知りうるネット選挙である現状は、自由意志での選挙とは言いがたいことを指摘し、その改善を求めた。上田の場合70人程度の選挙人であることから、公職選挙法に準じた方式もある、という提案をしたが、会社側は「なりすまし」「二重投票防止」(誰が投票したか掌握できる)のためにITなどを活用したいという意向を示し平行線。今後継続的に協議していくことに。

(3)労働者代表選挙の目的は告知されていたのか?

 関連して、労働者代表選挙にあたって人事労務部はどういう内容の告知を行ったか質問した。会社は「労使協定の締結、就業規則の関する意見書の提出など」と回答したが、提出された労使協定(36協定)書面を見ると、時間外労働の必要性という項目は、2019年以前の「臨時の業務」「予想を上回る業務の増加」といった一般的理由とは異なって、「天災・災害、疫病・感染症流行時の緊急時、および加盟店の緊急対応(店舗経営指導員の場合。他は「決算対応処理」などを含む)となっており、特別条項で「1日6時間、月6回計60時間、年630日」まで時間外労働が命令できる協定となっている。労働者代表選挙にあたって、立候補者や投票者に、こうした理由で時間外労働をこれだけの時間までやる必要があると会社が意図していたことが周知されていたかどうか、極めて疑問が残る。

 特別条項は、「長時間労働の温床」との批判もあり「一カ月に45時間を超える残業をすると脳や心疾患を発症しやすい」と言われており、ユニオンとしては、OFC、直営社員、開発、会計、建設の別を問わず、健康管理のために時間外労働は極力少なくすべきと考え、今後も交渉を重ねていく。

(4)セブン社員の健康状態はブラック!

 提出された健康診断の資料からは、当然とはいえ全社員100%健康診断を受けていることが確認できた。しかし、その内実は、有所見率は67%と悪い(2021年全国平均58.7%厚労省調査)ことが判明。ユニオンから上田地区事務所に診断に来たメディカルセンターの職員が「この会社の人たちは不健康自慢する。異常だよ」と言っていた事実を報告した。

 精神疾患について「休職すべき」と診断されたセブン社員は、21年1.32%であることが報告された。これは全国平均0.5%(厚労省 実態調査)で精神疾患が多い事実も会社から報告された。しかし、メンタルヘルスの研修は管理職と一部社員にしか行われておらず、全社をあげてメンタルヘルス対策に取り組むレベルにないことも判明した。ユニオンとしては今後もこの原因解明と対策の充実に取り組んでいく。

(5)物価高にともなって社員の賃上げ、店舗支援を要求

 過去にない急激な物価高にともなって社員の賃金は目減りしており、他方で、店舗も苦境に立っていることから、賃上げと店歩チャージの減額を要求したが、会社からは「社員の賃上げは検討している」としつつも店舗支援については「エベントをうつとかの売上向上を努力する」としか回答しなかった。ユニオンはチャージの減額が不可欠であると考える。

(6)会社は、管理職のセクハラを隠ぺい、居直る

 2022年4月から中小企業も含めて全企業に義務化されたパワハラ防止法を遵守したハラスメント防止対策を要求したが、会社は「あらかじめの議題として聞いてないので回答できない」と代理人弁護士までが言い出す状態で、パワハラ防止措置が本年4月から義務化されたことさえ自覚していないと疑われる対応であった。次回以後、継続協議することに。

 関連して、上田地区事務所における管理職〇氏のセクハラ、パワハラの事実をユニオン委員長が今年2月に上司に相談した事実を、あらためて人事部に報告し改善を相談した。ところが、人事労務部は、「相談があったことは知っている」「事実確認を行為者、被害者に行ったが、どのような事実認定をしたか、どう措置したか、その後の対策をどうしたかは答えられない」とパワハラ防止法に基づいた措置を行っていないことを暴露した。

 パワハラ防止法では、ハラスメントの相談があったときは、①他の事業者に協力を求めることも含めて事実関係を確認する「迅速かつ適切な対応」をすべきと定められ、②事実確認のうえで、行為者の謝罪や行為者と被害者の引き離しといった配置転換など「被害者に対する配慮の措置の実施」を行うこと、③また行為者には「必要な懲戒その他の措置を講ずること」が定められている。ガイドラインでは「内密に処理しようとすると問題をこじらせる」ので、行為者の言動がなぜハラスメントに該当するか真に理解させることが大切と指摘されている。④そして、「再発防止の措置」として社内報、パンフ、HP、等啓発の資料を改めて掲載し、配布などすること、研修や講習などを改めて実施することが定められている。⑤そのうえで、相談などをした当事者への不利益扱いをしてはならないと決められている。

 会社がおよそこうしたとるべき措置をとってないことが交渉で明らかになった。ユニオンからは「セクハラを容認するのか!女性差別を居直るのか!」と厳しい弾劾をつきつけ、時間切れで次回継続協議することに。(次回上田での団体交渉は、9月6日。)

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