10年以上前から、「NHK前橋」が「コンビニ24時間営業問題」を放送していました

2008年10月20日の午後4時50分から、NHKの関東甲信越配信で、上記の番組がありました。製作はNHK前橋放送局。
(各地の放送局によって、放送時間帯が違うところもあるようです)

〈女性アナ〉
 先日、群馬県のコンビニエンスストアーの経営者たちが県に、営業時間の規制を求める要望書を提出しました。こちらが、その要望書です。コンビニエンスストアーの象徴である24時間営業を、条例で規制するよう求めています。経営者たちはなぜ県に規制を求めたのか取材しました。
〈男性アナ〉
 前橋市郊外にあるコンビニエンスストアー。今回、要望書を出した経営者グループの代表・Nさんです。(放送ではフルネームの実名と顔を出しています。ここではNさんとします)
 Nさんは24時間営業を続けるのは多くの経営者にとって限界が来ていると言います。
〈Nさん〉 
「僕なんか、ずっと深夜勤務をやっているわけですけれど、深夜0時から5時までお客さんが10人とか、そういうことがいっぱいあると思いますよね。」「そんなところで、経済的に成り立たないわけですよね。」
〈男性アナ〉
 Nさんの店舗は、コンビニエンスストアー本部との契約で24時間営業が義務づけられています。しかし、深夜に来店する客はあまりいません。
 午前0時から6時までの利益はおよそ7500円。アルバイトを雇うとそれだけで赤字になります。そこでNさんは、自らが勤務することで人件費を抑えています。
 この6年間、一日も休まず、一日14時間の連続勤務をこなしてきました。
〈女性アナ〉
 エエーッ!
〈男性アナ〉
 月の売り上げはおよそ1200万円ですが、そこから仕入れ代金や本部の取り分をのぞくと、手元に残るのは月に30万円ほどです。
 深夜の営業を辞めると、人件費などを圧縮でき、利益を約15万円ほど産み出せると、Nさんは試算します。
 これまでNさんは、「深夜営業を中止して16時間営業に変更したい」と、本部に申し入れてきました。しかし本部は契約を根拠に24時間営業の変更を認めませんでした。
〈Nさん〉 
 独立自営業者と言いながら、営業時間とかを決める権限もない。〈名ばかり経営者〉という表現が適切かと、個人的に思います。
〈男性アナ〉
 自治体の中には、騒音問題などを理由に営業時間の規制をおこなっているところもあります。
 そこでNさんたちは、県に条例での規制を求めました。これに対して群馬県は「民間の事業者同士の契約にかかわることで行政としてコメントは控えたい。」と言います。
 Nさんは24時間営業を負担に感じているほかの店舗のコンビニエンスストアー経営者たちと毎週、インターネットを使った会議を開いています。
 この日は、この自治体にも要請書を出すことについて話し合いました。
〈他の店舗の経営者〉
 Nさんの要請書を参考に(要請書を)作っている最中なんですけれども、要請書は送った方が良いと思いますか?それとも持って行った方が良い?」
〈Nさん〉 
 県のホームページとかあると思いますが、「群馬でこういう事がありますが、こちらでも検討して下さい。」と出してみるとか、紙に書いて知事や市長あてに出しても良いと思います。
〈Nさん〉 
 実際の経営者の声というものをあげていきたいですね。何かしらの力にはなると思います。まず、とにかく、やる。声をあげる。集める。そしてぶつけていくことだと思います。それによって変わるかどうかは先の問題ですけれども。
〈男性アナ〉
 グループでは今後、他の県の経営者たちにも呼びかけて営業時間の規制への働きかけを強めたいとしています。
〈女性アナ〉
 コンビニエンスストアーの営業時間をめぐっては、神奈川県や埼玉県の自治体も、温暖化対策のために、営業時間の自粛を求めることを検討していると言うことです。
 

 Nさんたちの要請書は、この年の12月群馬県議会でもあつかわせましたが、条例実現には至りませんでした。しかしNさんたちがその後も粘り強く闘い続けたことが、今年になっての「セブンイレブン社長辞任」に発展しています。たたかいはこれからです。

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