経営陣は総退陣を!セブン株主総会へ宣伝行動

 2021年5月27日、東京・四ツ谷駅近くのセブン&アイ・ホールディングス本社にて、第16回株主総会が開催された。

 コンビニ関連ユニオンは、経営陣は総退陣せよ!と、宣伝行動を行った。

 セブンイレブン東大阪南上小阪店・松本実敏オーナーの時短の闘いの開始以来、セブンイレブン本部の横暴は、大きな社会的な批判を浴び、公正取引委員会をも動かす闘いは、現場を変える力となった。セブンイレブン本部は、不祥事や失態を繰り返し、しかし経営陣は居直りと無責任を決め込んだ。そしてコロナ。

 セブンイレブンは中期経営計画を公表できず、S&Pグローバル社がセブン&アイHDの長期発行体格付けを2段階格下げするなど、大きな岐路に立っている。

 オーナー、本部社員、店舗従業員、配送労働者や工場労働者…コンビニに関わるすべての労働者が力を合わせて、コンビニをまともな業界に変えなければならない。経営陣に責任を取らせることが今必要だ。コンビニ関連ユニオンに結集しよう。

出勤時の四ツ谷駅で

オーナー・下請け企業に対する優越的地位の濫用をやめよ!

責任をとらない井阪氏、永松氏らは総退陣を!

セブン&アイHD株主総会に参加される株主の皆さん。セブン&アイHDで働くすべての労働者の皆さん。また関連企業の労働者のみなさん!
 私たちコンビニ関連ユニオンは、今株主総会において、店舗の飽和、慢性的人手不足、コロナ禍での経営悪化、感染の拡大という類例のない危機的情勢に対応した契約への大転換を決断することを訴えます。
 伊藤雅俊氏は1992年の総会屋事件の責任をとり、自ら辞任しました。鈴木敏文氏は2016年に、自らが信任されていない事を理由に辞任しました。
 それに比べて現経営陣は、7ペイ、オムニ、24時間、M&A、給与計算、無断発注、その他、ありとあらゆる問題に対して失態を続けているのに、誰一人何も責任を取らない。この無責任な状態を株主の皆さんはどうお感じですか。
 旧来の経営手法にしがみついて利権を維持しようとする現経営陣の退陣は不可欠だと私たちは考えます。

◆いまだに独占禁止法違反の優越的地位濫用をくりかえすセブン本部

昨年、公取委史上初めてともいえる大規模なアンケート調査の実施とその報告の公表、さらに今年4月には公正取引委員会からフランチャイズ・ガイドラインの改正が発表されました。にもかかわらず、「公取委の指導に従う」というのは表向きにすぎず、セブン本部は現場では独占禁止法違反行為をいまだに繰り返しています。
 1万2000店という過剰な店舗数にもかかわらず、今なおセブン本部はドミナント(集中出店)政策をあらためようとしていません。また、「時短営業からの協議についても認めている」と言いながらも、現場では時短店に対して「24時間に戻させろ!」の指示が各地区幹部からは出されています。また加盟店の裁量に反する発注の品目・量の指示が、セブン本社の幹部から出されています。見切り販売を実施するオーナーへの嫌がらせも、陰に陽に続いています。自分の意見を表明するオーナーには契約解除、契約更新拒否をちらつかせて本部の優越的地位に従わせようとすることも続いています。昨年来の残業代未払い問題もセブンペイの失策の原因解明も未解決です。
 こうした経営姿勢を典型的に示すのが、東大阪南上小阪店オーナー・松本実敏さんへの嫌がらせです。契約更新をめぐって、裁判係争中であるにも関わらず、松本オーナーの店舗駐車場に仮店舗を勝手に作り直営で経営する暴挙を強行。しかも、その建設費用を3000万円(どう計算してもそんな金額にはならない!)を請求すると通告しました。要するに「本部に逆らったら3000万請求されるぞ! 首くくることになるぞ!」というヤクザまがいの脅しです。
 常軌を逸した行動は、松本さんの背後にいる沢山のオーナーさんの存在をセブン本部は意識しているからです。「松本さんのおかげでオーナーの苦しさが社会問題にできた」「やっとゆっくり休めるようになった」と共感しているオーナーは全国にたくさんいます。また下請け経営者でも内心では共感している事業者が多いのです。厳しい目で見ている社会的世論に、現経営陣はきちんと向き合うべきです。

◆コロナ禍の経営悪化のしわ寄せは、ついに「ハリボテ商品」にまで!

 「上げ底だ」「ハリボテだ」というワードがSNSなどで炎上。セブンのおにぎりや弁当・パンや乳飲料などにおいて、商品の劣化が頻発しています。背景には、極限的なコストカットにあります。店舗や関連企業の利益のために、従業員の賃金コスト切り下げがおこなわれています。とりわけ、時給の高い都市部では外国人実習生・留学生を多く雇用しています。また、商品単価アップを本部が認めないなかで、下請け企業が商品の質を落とさなければ採算がとれなくなるからです。わらべや日洋などの営業利益は、前例がないほど低下しています。
 お客様を「騙す」ところまで企業が劣化して良いのでしょうか? セブンは食品を扱う企業として最低限超えてはならないレベルを超えました。この責任は店舗や下請け企業にはなく、優越的地位にあぐらをかき、犠牲を下へ下へと転嫁し続けてきたセブン本部・経営陣にあります。これまでブランドイメージとしてきた「加盟店とは共存共栄」「安心・安全な商品」という理念はどこへいってしまったのでしょうか? このままでは、セブンに未来はありません。

◆国際投資家から見放され始めた本部の海外拡大戦略

 5月21日には、 S&Pグローバル社が、セブン&アイ・HDの長期発行体格付けを2段階下げ、「AAA」から「A」にすると発表しました。アメリカでセブンが反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いが指摘されたからです。現経営陣が社運をかけた北米市場での店舗拡大戦略の要=米コンビニ大手スピードウェイの買収が完全に裏目に出ています。反トラスト法違反を逃れるために北米コンビニ事業子会社多数を売却すると発表せざるをえず、財務内容の大幅な悪化が明らかになり、セブン&アイHDの信用力が大きく低下してしまったのです。北米市場拡大戦略の完全な失敗です。
 「店舗はもう飽和している」という内外からの指摘。国内コンビニ事業の改善。ヨーカ堂、西武・そごうの再建。労働者の賃上げや待遇改善……これらの課題を放棄して、海外、北米コンビニに「右肩上がりの成長神話」を求めた結果、見事に大失敗したということです。

◆経営戦略も公表できない現経営陣

 昨年からセブン本部は中期経営計画を公表できないままでいます。そして4月8日、決算資料がひっそりとホームページ上にアップされました。セブン&アイHDは減収減益です。新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、ほぼ無方針であった国内セブン・イレブンの売上低下が一番の要因です。
 異例だったのは、期末決算発表時にもかかわらず、通常なら井阪隆一社長らが出席して行われる決算説明会さえできなかったことです。イトーヨーカ堂の大量閉店や長引く経営不振で店舗整理を続けた結果、現在のそごう・西武の国内店舗数は10店と、2006年の買収時から3分の1にまで縮小しています。この間、どれだけ多くの労働者が解雇され、雇用が奪われてきたのでしょうか!

◆「成功神話」は過去のもの! コンビニの大転換なしには今後はない!

 経産省や公取委のアンケート結果にも明らかなように、セブン本部とオーナーとの「共存共栄の精神」は投げ捨てられました。本部にたいして「年貢の取り立て」「反社」などと評価している店舗の多さに、業界からも驚きの声があがりました。本部は自らやってきたことを反省すべきです。現在のコンビニモデルは、発注さえ増やせば、店舗売り上げが下がっても本部だけはもうかる仕組みです。この会計システムでは、もう持続的成長はできません。それが、「24時間はやめたい」「命より大切な契約はない」と多くのオーナーが声をあげた理由です。これは同時に、工場や配送会社の悲鳴でもあります。
 今こそ、現経営陣はすべての加盟店・関連企業・関連労働者の叫びに受け止めるべきです。そして、双方が対等に改善策を真正面から誠実に話し合うべきです。
 優越的地位にあぐらをかいて「お代官様」ズラするコンビニ本部の姿勢はもう通用しません。
 私たちコンビニ関連ユニオンは、コンビニに関連した職場で働くすべての仲間とともに、中小事業者も労働者も、まともに生きていける経営システムと労働環境の実現をめざします。コンビニモデルの大転換と、その実現のために経営陣の刷新を求めて闘いぬきます。

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  1. 空色

    愛知のセブンイレブンも全然良くないです。6時間働いて休憩ないですし、給料も休憩ある風に改ざんされています。副店長もパワハラ起こしてるのに店長代行になっていました。
    正直ユニオンさんに入って欲しいぐらいです。