声明

声 明


2019年10月11日


コンビニ関連ユニオン(河野正史委員長)


(1)コンビニ関連ユニオンは、9月11日、公取委への集団申告をおこなうとともに、セブンイレブンジャパンに、基本契約58条(Cタイプの場合57条)にもとづき「5年経過するごとの契約改訂を行うことの要求書」を提出し、10月10日までの文書で回答するように求めた。
 これは基本契約書に「契約の各条項に規定される数値が、社会・経済情勢の急激な変動または価格変動の継続による価格体系の変化などにより、合理性を失うに至った場合には、均衡の実質を維持するため、改訂することができるものとし、そのため、この基準値が定められた昭和54年10月1日から5ヶ年経過するごとにオーナーの意見を聞いた上、見直しするものとする」と定められているからある。
 これまで40年間一度もオーナーの意見を聴取したこともなければ、改訂をしたこともないことを弾劾し、早急に、意見聴取の方法と、改訂交渉の日時場所を明らかにするように求めた。
  しかるに、セブンイレブン本部は、9月20日になって上記要求書をつっかえしてきたばかりか、改めて内容証明で同文書を送付したことにたいしても10日の期日においても回答することをせず契約改訂を行うとの回答をしなかった。
 そして、昨日都内の組合員店舗にDMが訪れ、「文書回答はしない」「聞き取りはFCやDMが日常的に来店してやっている」「これが社長の見解だ」と回答してきた。
 セブンの基本契約書には「契約は文書で行う」と定められており、「文書回答しない」ということは契約改訂しない、ということに他ならない。また58条(もしくは57条)の「意見聴取」は「5ヶ年経過後との契約改訂をするかしないか」「どのように改訂するか」に関する「意見聴取」であって、日常的な訪店活動とは性格をことにする。「日常的に来店しているから」というのは、「契約改訂に関する意見聴取はしない」ということである。
 これは、58条(57条)の規定に違反する契約違反である。


(2)公取委事務総長は、本年4月の記者会見で「オーナーが契約内容の見直しを求めたにもかかわらず、優越的地位にあるものが見直しを一方的に拒絶することで、オーナーに不利益をあたえる場合は、優越的地位の濫用にあたる」とのべ「取引上の地位が勝ってい側が劣位にある人との間で交渉などを行う場合には、相手かたの言い分、それから、内容をきちんと説明するということと、相手かたの理解をきちんとうるということが大事」としており、今回のセブン本部の対応は、意見聴取も、交渉も、契約改訂も一方的に拒絶したものであり、独占禁止法の禁ずる優越的地位の濫用にあたると考える。そこで、本日、そのむね公取委に申告を行い、早急に実態調査解明をすすめ排除措置命令を出されるよう要請する。


(3)ところで、10月10日、セブンアイホールディングス井阪社長は、永松セブンイレブン社長をさしおいて、「セブンイレブンは、2020年3月からフランチャイズ契約を見直し新たなインセンティブチャージを導入する」と発表した。
 これは、24時間営業店には、「チャージ減額をさらに月額3万5000円増やす」ことによって、何がなんでも24時間営業義務化を継続しようとするものであり、24時間営業義務化の廃止、オーナーの希望選択制を求めるわれわれコンビニ関連ユニオンや、多くのオーナーたちの思いを踏みにじるものであり、断じて認められない。
 そもそも、「オーナーの意見を聞いて5ヶ年ごとの契約改訂」ということを基本契約でうたっておきながら、「オーナーの意見を一言も聞く」わけでもなく、一方的に「新たなインセンティブチャージ導入」などと発表するセブン本部の姿勢は、日ごろ、事業者同士の対等な関係などと言いながら、一方の事業者にはなんの相談もなく発表したもので、オーナーと共存共栄する意思はないといわざるをえない。
 東日本橋一丁目店オーナーを死に追い込みながら、一度たりとも社長が弔いにくるでもなく、「膝詰め」と言いながら、一度たりともオーナーたちの面談することもしない、態度と共通する「封建領主」かと思えるような態度であり、この基本的な姿勢から改めるべきである。


(4)この間のオーナーたちの要求と、それを支持する社会的批判の声は、「24時間営業義務化の廃止」だ。24時間営業を続行、維持することに誘導するような「インセンティブチャージの廃止」こそが必要であり、そして営業時間、営業日(休業日)についてオーナーに裁量権をあたえるべきである。オーナーであっても、一般労働者同様に、8時間労働と法定休日に匹敵する年間休日が保証されるべきである。
 チャージの改定は、当然ではあり、われわれも求めるものであるが、「時短店にも月額1万5000円減額」など「あめ玉」にもならず、あまりにも少ない。500万円で線引きし差別するのは分断である。問題は「本部のとりすぎ」であり、われわれは少なくとも、平均9%程度全店共通にチャージを減額するべきであると考える。いずれにしても、「勝手に決定して押し付ける」やり方ではなく、オーナーと「真っ正面から話し合う場」をつくるべきである。


(5)「不採算店1000店の閉鎖」をいうが、そもそも多くの反対意見を無視して店舗拡大に次ぐ拡大を続け、ドミナントを繰り返して「採算を悪化」させてきたのは本部である。また「辞めたい」という店舗に「違約金」を請求してきた辞めることもできない苦悩に追いこんできたのは本部である。その経営責任を明確にせず、「大手術」などふざけるな、と言いたい。
3ヶ月の報酬一部返納など問題にもならない。役員はこの間の拡大路線一辺倒でやってきたことの責任をとって総退陣せよ。「開業も閉店もオーナーの裁量権」の範囲であり、オーナーの意見をよく聞いて、合意の上で、かつ生活を保証してなされるべきである。オーナーの意思を無視して一方的に閉店することにはユニオンは反対である。
 グループ全体でのリストラ計画も出されたが、「不安の扇動」のような形で一方的に「宣告」されており、まずもって経営責任を明確にすべきであり、現場の労働者との真摯な話し合いを積み重ねるべきである。われわれユニオンとしては不利益扱い、解雇、不当配転には絶対反対である。相談窓口を設置することもふくめて不当なリストラを許さない。
 「ショック効果」をねらったかのような計画発表であるが、始まった反乱は、このような小細工によってかわせるほど甘くない。時短、休業、契約改訂はオーナーの生存権の要求だ。
 コンビニ関連ユニオンは、第二次、第三次申告でさらにセブン本部をおいつめ、排除命令を出させることもふくめて24時間営業義務化の廃止、営業時間についてオーナーの裁量権確立のためにさらに闘い続ける。

上毛新聞10月11日付

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