コンビニ業界の独占禁止法違反を公正取引委員会に集団申告しよう

 
2019年8月26日 コンビニ関連ユニオン 


(1)コンビニ関連ユニオンは、コンビニの24時間営業義務化の廃止を求めてこれまで闘ってきました。

 代表河野の社内での闘い、東大阪の松本オーナーの時短決起を守り次に続く闘い、5月セブン株主総会闘争、6月9日コンビニ関連ユニオン正式結成、7月11日スト決起、長尾副委員長のオーナーヘルプ制度不履行を暴露する闘い、群馬ローソンのスト決起など、総力をあげて闘ってきました。その闘いも含めて、全国のオーナーの皆さん、関連労働者や支援の皆さんの闘いによって、「24時間営業は見直すべき」が圧倒的多数という世論を形成してきました。

 しかし、コンビニ本部は根本的に経営姿勢を変えるには至っていません。セブンにいたっては、時短は実験として認めるだけで、実験後24時間営業に戻すか2%チャージ増を受け入れて時短を続けるかの2択だけという方針を固持しています。ファミマも時短実験店を増やす、ローソンは自動レジを増やすなどしていますが、セブン同様契約の見直しには言及していません。 


(2)問題の核心は、1979年(昭和54年)に基本契約、補助契約の基準値を定めてから40年もたっているにもかかわらず、時代の変化に対応した契約更改を一度も行っていないということにあります。

 そもそもセブンイレブンの場合、基本契約58条で「甲(セブンイレブン本部)は、この契約の各条項に規定される数額が、社会・経済情勢の急激な変動または価格変動の継続による価格体系の変化などにより、合理性を失うに至った場合には、均衡の実質を維持するため、改訂することができるものとし、そのため、この基準値が定められた昭和54年10月1日から5カ年経過するごとに、乙(オーナー)の意見を聞いたうえ、見直しをするものとする。」と定めています。しかし、これまで一度も、乙(オーナー)の「意見を聞いた」こともなければ、「5年ごとの見直し」を行ったこともありません(次は本年10月1日がその時期となります)。基準値を定めた基本契約58条の規定は、甲(セブンイレブン本部)の契約上の義務として定められているもので、契約改訂を怠ったことは、セブンイレブン本部の重大な契約違反です。 


(3)5年ごとの改訂を40年にわたって怠ってきたことが、現在のコンビニモデルが「時代に合わなくなった」大きな理由です。

 コンビニ店舗数は記録がある最古の年の1983年度では6308店舗が、2018年3月末には5万7956店(9・18倍)まで急増しています。1979年の労働人口5596万人、2018年6830万人で、1200万人しか増えていません(1・2倍)。最低賃金(東京)は1979年382円が、2018年は985円に上昇しています(2・58倍)。これら基本的な数値をみても、40年前の基準値を今日の社会・経済状勢に合わせて見直すのは不可欠です。多くのオーナーが「人手不足で24時間営業継続は無理」と悲鳴をあげ、自死や一家崩壊の事例さえ生まれ、紛争になっている背景と原因はここにあります。


(4)本年4月24日には公正取引委員会事務総長が「契約期間中に事業環境が大きく変化したことに伴って、取引の相手方が、優越的地位にあるものに対して契約内容の見直しを求めたにもかかわらず、その優越的地位にあるものが見直しを一方的に拒絶することは、独占禁止法に規定する優越的地位の濫用・・・に該当する」「取引上の地位が勝っている側が劣位にある人との間で交渉などを行う場合には、内容をきちんと説明するということと、相手方の理解をきちんと得るということが大事」とのべ、7月にも同様のことを公正取引委員会委員長が述べています。

 これらのことから、われわれは、話し合いの場ももたずに本部が実験時短店においても24時間に戻すか2%チャージ増を予定して、24時間営業を強制し続けていることは独占禁止法に違反すると考えます。
 その他、オーナーヘルプ制度の不履行・機能不全、特定商品の一方的押し付け、ドミナントなど、コンビニ本部がオーナーとの取引において、独占禁止法の禁じる、欺瞞的取引の誘引、抱き合わせ販売の強制など「不公正な取引の強制」を多く行ってきた事実があります。われわれは、それら問題点の改善をコンビニ本部に求めてきましたが、話し合いさえ拒否されてきました。


(5)そこで、もはや公正取引委員会に、これら独禁法違反の事実を申告し公取委の実態調査と排除措置命令発出を求めるしかないと考えるに至りました。また、基本契約58条の規定を遵守して「基準値が定められた昭和54年10月1日から5ヶ年が経過するごと」の、オーナーの意見聴取と契約見直しを行うことを本部に求める以外にないと決意するに至りました。

 来る10月1日がその「5ヶ年が経過する」時にあたること、規定上加盟店オーナーとの個別交渉はありえず全員との交渉が不可欠であることから、10月1日よりできるだけ早い時期に意見聴取を開始し集団交渉の開催日と会場を明らかにされることを、まずもって10月10日までに文書回答するようセブンイレブン本部に要求します。拒否された場合はそのことも10月11日予定の第二次申告行動において公取委に申告します。


 全国の、現コンビニモデルに苦しむオーナーのみなさん、また関連事業者、さらにはコンビニ業界のブラックな実態を見聞きし心を痛めている市民のみなさん。ともに集団申告と、契約改訂要求に立ち上がられることを呼び掛けます。


 第一次として来る9月11日(セブンイレブン東日本橋一丁目店オーナー齋藤敏雄さんの命日)に集団申告しその後都内で記者会見します。第二次、第三次(いずれも齋藤オーナーの月命日を計画しております)と申告者を募集し、多数の申告を提出することで公正取引委員会の調査開始、命令発令、本部の意見聴取と契約改訂交渉応諾を促したいと考えます。ぜひ、多くのみなさんのご協力をお願いします。多くの方の犠牲を無にしないためにも、なんとしても24時間365日過労死社会の是正、コンビニ業界のブラック条件の改善を実現しましょう。そして、便利さの影で誰かが犠牲になるのではない、持続的で社会全体が等しく喜ぶことができる新しい時代のコンビニモデルをみんなの力でつくっていきましょう。



(注)

①申告はメールなどで可能ですが、文書申告には回答がもらえます。排除命令発令には、論点の明確化、証拠提示が効果的です。サポートはコンビニ関連ユニオンならびに当ユニオン協力弁護士が行います。


②申告はオーナーでなくても誰でもできます。「見聞きした話」も可能で、匿名も可です。


③時効(除斥期間)は5年、5年前までの事例が申告できます。


④申告後、公取委は調査を行い、独占禁止法違反と認定すれば、排除措置命令や課徴金納付命令などが出されます。排除措置命令とは「違反行為を速やかに無くしなさい」と命令する行政処分で、コンビニに対しては過去2009年に「見きり販売妨害」に対して出されています。


《公取委申告の相談、サポート連絡先》
コンビニ関連ユニオン

〒387-0007 長野県千曲市屋代2131-3 

電話090-5572-9108 

FAX026-273-5001 

メール  musasino0314@yahoo.co.jp


《申告闘争を支える資金カンパの送り先》

 送り先 

■郵便振替口座 00500ー1ー108691 チイキゴウドウロウソ チクマユニオン

■ゆうちょ銀行 店名 〇五九(ゼロゴキュウ)店(059) 当座 0108691 チイキゴウドウロウソ チクマユニオン 


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