コンビニ関連ユニオン第五回大会勝ち取る!

 2023年10月15日(日)、東京都内においてコンビニ関連ユニオン第5回定期大会が開催された。5年の闘いは、セブンイレブン・河野正史委員長を先頭とする本部労働者、セブンイレブン東大阪南上小阪店・松本実敏オーナーを先頭とする全国のオーナー、全国の店舗労働者、配送労働者をはじめとするコンビニ関連労働者の巨大な団結と闘いで、コンビニ業界の劣悪な奴隷状態を社会問題化することに成功し、24時間営業の強制をぶっ飛ばし、業界の改革に大きな風穴を開けて勝利してきた。コンビニ関連ユニオンの闘いは第二ラウンドに突入する。大会で採択された議案を公開する。

 全国の本部労働者、オーナー、店舗労働者、配送や工場などの関連労働者はコンビニ関連ユニオンに結集し、団結して闘おう!「明日は我が身!」西武池袋店のストライキに続いて闘おう!

コンビニ関連ユニオン第五回大会議案

2023年10月15日 都内

1、この1年間の闘争経過報告

2022年

12/1(木)松本オーナー講演会 京都大学熊野寮

12/13(火)セブン本部団体交渉

12/23(金)松本オーナー大阪高裁傍聴闘争

2023年

1/24(火)セブン本部団体交渉 四谷

1/26(金)長野県労働委員会不当労働行為救済命令勝利!長野県庁記者会見

3/6(月)セブン本部団体交渉 四谷

3/11(土)反原発福島闘争

4/10(月)春闘ストライキ決行、セブン本部団体交渉長野県労働委員会命令履行させる。

4/27(木)松本オーナー大阪高裁不当判決

5/18(木)~5/20(土)G7広島サミット粉砕闘争

5/25(木)セブン株主総会弾劾闘争 セブン本社前

5/29(月)中央労働委員会調査

6/5(月)セブン本部団体交渉 四谷

6/6(火)関西コンビニ集会 エル大阪

7/11(火)セブン本部団体交渉 上田

7/25(火)そごう・西武労組93.9%スト権確立

8/5(土)~8/6(日)8・6広島闘争

8/9(水)中央労働委員会調査

8月前半 そごう・西武ビラ入れ、池袋・大宮・千葉・横浜・広島・セブン本部

8/31(木)西武池袋店ストライキ激励連帯行動

9/10(日)コンビニ首都圏会議

9/11(月)セブン本部団体交渉 上田

9/22(金)ミニストップ〇〇店団体交渉

2、 総括

 2019年から22年過程の資本による委員長潰し、組合潰し、闘うオーナー潰し攻撃にうちかち、24 時間営業義務化をめぐる攻防闘い抜いて、コンビニ関連ユニオンを交渉対象労働組合(労組法上の労働組合)として認めさせ、24時間営業義務化の事実上の廃止(残る課題は、加盟店付属契約の当該条項の改定)に追い込んだ。  第2ラウンドへの突入―組合を組合として建設拡大して、真にコンビニ業界を変革しうる集団的力量を持った産業別組合への飛躍を勝ち取るべき段階を切り開いた。

(1)組合潰し攻撃に勝ち抜いて切り開いた地平

 ①委員長河野の決起と組合潰し攻撃との闘いに基本的に勝利した。

  2018年地域合同労組千曲ユニオンによる労働委員会闘争で、降格撤回と職場復帰の合意書をかちとる勝利

 ②2019年からの「24時間営業義務化廃止闘争」への激しい資本の組合潰し攻撃とこれに対する労働委員会闘争。

 コンビニ関連ユニオンを労組法上の労働組合として認定させ、24時間営業義務化廃止を議題とする団体交渉の拒否について不当労働行為と認定させた。またオーナー組合員のストライキに関する重要な判断を示させた。このテーマについては、会社も中労委への再審査申立てを断念、事実上確定させたと言える。

 さらに二つの降格処分のうち、一つを撤回させ実損回復を履行させた。

 中労委での攻防で、もうひとつの降格処分の撤回をかちとるか否かの攻防を闘い抜いている。

 ③残るは、2019年から5年にわたる千曲ユニオンとの和解意書の不履行、仕事外し=パワハラとの闘い。

 ④交渉を通して、委員長河野の完全な職場復帰、精神疾患の回復プログラムの履行を強制するところまで到達した。この闘いをかちぬいて、病気治癒もかちとって、OFCとしての本来的職務に復帰し、本部正社員の組織化とオーナー、店舗従業員の組織化に全面的に再突入することで第一ラウンドは100%の勝利となる。これが、第二ラウンドの闘いの主体的かつ全面的な開始となる。

  ⑤ここで、労働委員会闘争で切り開いた産業別労働組合としてのコンビニ関連ユニオンの可能性、有効性について整理しておきたい。

(2)長野県労働委員会判断の意義について

ア)コンビニ関連ユニオンは労組法上の労働組合と言えるか 

セブンは、本件の組合にはオーナーとその店舗の労働者の双方が加入しているため労組法上の労働組合とは言えない、したがって、不当労働行為は成立しないと主張した。この争点について、長野県労働委員会は、以下のように、コンビニ関連ユニオンを労組法上の労働組合であると認定した。

「労組法第2条の但し書き1号が「使用者の利益代表者が加入する労働組合は労組法上の労働組合に該当しない」としている点について、「特定の者が加入していることによって、使用者と対等な立場にたつべき労組法上の自主性が損なわれるかどうかの観点から個別具体的に判断するべき(日本IBM事件東京地判平成15年10月1日など)で、コンビニ関連ユニオンは、従来から会社と団体交渉を行なってきた千曲ユニオンとの交渉事項を引き継ぎ、コンビニ関係の多様な企業で働く者が加入できる労働組合として結成され、オーナーと店舗従業員双方が加入するなど多様な立場の組合員からなる労働組合で、結成の経緯からしても会社の関与がうかがわれるような事情はなく、会社からの支配を受けにくい合同労組であり、会社の経理上の関与を疑うような事情もないから、組合が組織上会社から独立していると認められる。

 組合の活動も、ネットニュースや雑誌などで会社批判を行い、加盟店の24時間営業義務を団交の議題とするよう会社に申入れるなど、会社に批判的な活動を続け、会社が河野に行なった2度にわたる降格処分の取消などを求めているもので、組合の意思決定に会社の意向が入り、自主性が阻害されていることはうかがわれない。したがって、コンビニ関連ユニオンは、労組法上の労働組合であると認定される。

 なお、東京地判ではオーナーが労組法上の労働組合にあたらないとの判断が示されているが、コンビニ関連ユニオンにはオーナー以外の労働者も加入しており、事案を異にする。

 会社は、オーナーとその店舗従業員双方の加入を認めているので、労組法第2条ただし書き1号によって労組法上の労働組合とは言えないと主張するが、オーナーは会社の利益代表者とはいえず、会社との関係においてオーナーとその店舗従業員の双方が加入していても組合活動の自主性は阻害されていないと判断できるため、仮に双方が雇用関係にあったとしても、このことが、組合が労組法上の労働組合といえるかの判断に影響を及ぼすような事情ではなく、会社の主張は失当である。」

会社は、この論点については、中労委に不服申し立てしなかった(できなかった)ので、この認定は確定した。今後、会社は、産業別労働組合としてのコンビニ関連ユニオンを労組法上の労働組合として誠実に対応する法的義務があると認めたことになる。

イ)24時間営業義務は義務的団体交渉事項となりうるかどうか 

会社は、2019年7月5日予定していた団体交渉を、「組合は24時間営業義務の廃止を議題としようとしているが、24時間営業は経営事項であって義務的団体交渉事項ではない」との理由から交渉を無期限延期(=拒否)したのであるが、これについて長野県労働委員会は「加盟店の24時間営業義務が会社従業員の労働時間に全く影響しないとする会社の主張は疎明が不十分であり、24時間営業義務に関する事項が義務的団体交渉事項となりうる可能性は否定できない。それゆえに、今回の延期には合理的な理由がなく」、団体交渉拒否にあたり不当労働行為に該当する、と判断した。

 つまり、本部社員とオーナーが団結すれば、店舗の24時間営業義務の廃止を議題として交渉することを本部は拒否できないということなのだ。

  • オーナーの団体交渉権について

 さらに、オーナーである組合副委員長の団体交渉参加を拒否したのは不当労働行為であると組合が主張したことについて、会社は「要請であって拒否ではない」と主張したが、長野県労働委員会は、会社主張を認め、「要請であって拒否まではしていないので、不当労働行為には該当しない」としたが、その説明において、「団交では、組合員に限らず外部の者、例えば上部団体の役員や弁護士に交渉を委任することもあり、使用者は、自己の従業員以外の者が組合の委任を受けて交渉担当者として出席する団体交渉を拒否することはできないと考えられている。」「Nは組合の副執行委員長であり、組合を代表し得る立場にある。誰が団交に出席するかは組合の自由であり、機密情報が外部に漏れるという理由で出席その者を拒否することはできない」と記している。

 オーナーの団体交渉権は、オーナーだけで組織した加盟店ユニオンの労働委員会、裁判をとおして、オーナーの労働者性が否定され、したがって、オーナーには交渉権はないとされたのであるが、コンビニ関連ユニオンの組織形態であれば、24時間営業義務の是非、廃止をめぐって組合員の属性のいかんに関わらず、団体交渉が可能であり、また団体交渉に参加し主張することが可能であるということを示した。ここで、(1)(2)(3)によって、コンビニ関連ユニオンは、加盟店ユニオンが超えられなかった壁を事実上超えることになった。

  • オーナーがストライキに参加することに対して、「契約違反であると警告した」ことは支配介入にあたるか?  

さらに、オーナーの団結権、団体行動権に関しては、オーナーのスト参加が問題になった。組合の副委員長が7・11ストライキに参加しようとしたことに対して、本部が「フランチャイズ契約に違反する」として警告書を発したことをもって、組合は、それは組合への支配介入にあたるとして救済申立てをし、この判断をめぐって、フランチャイズ契約と団結権との関係(契約論と団結権論)とが遡上にあがったのである。

長野県労働委員会は、「加盟店基本契約上、営業時間に関する契約違反は重大な違背行為であり、契約解除事由になりうるとされていることから、警告書には、Nのストライキへの参加についてはなんら言及されておらず、 組合の弱体化を意図したものとは言えず、会社が契約の履行をもとめて警告文書を発出したことは正当な理由があるといえ、不当労働行為意思は認められない」と判断した。

 確かに、組合側の主張は結論的には認められなかったのであるが、重要なことは、フランチャイズ契約の履行が絶対的というわけでもなく、組合活動への嫌悪いかんによっては、不当労働行為と認定される可能性があると判断したことである。長野県労委は、「なお」として次のように書いている。

「会社は、オーナーが労組法上の労働者に該当しないため、支配介入は成立しないと主張するが、支配介入の態様は様々で、不当労働行為意思は客観的に労働組合弱体化ないし反労働組合的な結果を生じ、又は生じるおそれがあることの認識、認容があれば足りるとされていることから、組合副執行委員長であるNの労働者性の有無のみによって支配介入の判断が左右されるものではなく、Nの労働者性が欠けているから支配介入は成立しないという会社の主張は失当である」  つまり、オーナーがストライキ、すなわち業務停止を行なった場合、フランチャイズ契約上は契約違反となり、違約金や契約解除の対象となるのであるが、労組法上の労働組合による正当なストライキであっった場合は、違約金や契約解除は、労組法8条の民事免責規定によって課することができないし、また課した場合は労組法8条違反と解されるばかりか、団体行動権への妨害、支配介入として労組法上の不当労働行為と判断される可能性はある、ということを述べている。  

 7・11ストの場合は、事前の要求提出、団体交渉、組合活動の積み重ねもなく、短時日で宣伝的に「7・11スト」を、いわば河野委員長の「一人スト」として決行し、それに組合副委員長が参加しようとしたにすぎない実態であったから、このように判断されたと思われるが、より労働組合活動の内実を積み重ねたうえで、オーナーがストに参加した場合、それに対する「フランチャイズ契約違反である」とする警告行為は、民事免責規定違反、支配介入=不当労働行為と解される可能性は十分ある、ということだ。

 コンビニ関連ユニオンをより本格的な労働組合として実態をもって確立していき、具体的な労働運動を積み重ねていけば、フランチャイズ契約にもとづく契約解除や、契約更新拒否、オーナーへの不利益扱いが、労組法上の不利益扱いとして不当労働行為として認めさせ、撤回させる可能性を示したものとして、軽視できない意味がある。

 この論点について、会社は、会社が勝った形になっているため中労委への不服申し立てもしていない。 

コンビニ契約の特徴として、高額の違約金や、解約解除や契約延長拒否によって店舗経営という生活の糧を失ってしまうことへのオーナーを保護する規定が何もないことがあげられる。通常の労働者であれば保障される不当解雇への保護規定が何もない。そのために、違約金や契約解除の恐怖から、オーナーが奴隷的勤労環境を強制されながら声も上げられなくなっている例が多く、フランチャイズシステムの改善を提言する多くの論者がこの問題を指摘している。

しかし、コンビニ関連ユニオンであれば、オーナーにおいても団結権、団体交渉権、団体行動権を実態的に確保していくことが可能である。組合としては、この点を、労働委員会や司法の判断を追い求めてそこに依拠しようというのではない。

重要なことは、オーナーもコンビニ関連ユニオンに団結して闘えば、不利益扱いをさせない論陣を張って闘うことは可能であるということだ。社会的世論もふくめて、団結の力の拡大、集団的力関係の強化を背景にすれば、契約解除で脅して屈服させるということを防せぎながら、正当な労働組合活動を積み重ね、ストライキをも背景とした交渉によって、フランチャイジーとフランチャイザーの紛争を解決していく可能性はあるということだ。

  • この論点は、かならずしもオーナーだけに限られるわけではない。「労働者性の有無のみによって支配介入の判断が左右されるものではない」「客観的に労働組合弱体化ないし反労働組合的な結果を生じ、又は生じるおそれがあることの認識、認容があれば足りる」ということは、組合員の属性や、直接的な使用従属関係のみで判断されない意味ともとれ、コンビニ関連ユニオンに加盟する店舗授業員や関連事業者、関連労働者についてもいえることになりうる。ここは、事実上、「使用者概念の拡大」という領域がはらまれており、法律論だけで考えるべきではないが、組合の団結権の強化拡大、産業別労働組合としての組織実態や活動の飛躍によっては、様々な可能性が開かれてくるともいえる。今後の実践から研究をすすめる価値はある。
  • 要は、本部社員が組合員にいるというところである。フランチャイズ経営の問題は、実態的には本部の圧倒的な力関係の優位を背景にして、個人事業主とされるオーナーに対して支配強制を行いながら、フランチャイズ契約をたてに使用者責任をのがれ搾取度を高め、その結果、オーナーや従業員、さらには関連業者やその労働者に、劣悪な勤労条件を強制しつづけてきたところにある。

しかし、支配強制(FC契約上は、指導、援助とされるが)の末端に位置づけられるのがOFC(SV)であり、そのOFC(SV)が産業別労働組合に組織され、多様な職種、事業主と団結した場合には、こうしたフランチャイズ契約の「支配の構造」を突き崩す可能性があるのだ。

 どのフランチャイズ経営においても、その契約において、本部と店舗双方が「協力して事業の繁栄を図る」「店舗に担当者を派遣して、助言、指導を行ない、経営上生じた諸問題の解決に協力する」(セブンの基本契約)とされ、その協力関係を担う本部社員には、「会社とオーナーとの間のすぐれた信頼関係を築くこと」「オーナーの独立性を阻害する行為をしてはならない」(セブンの就業規則)などが服務規程や就業規則に定められ、これに反した場合懲戒処分の対象になるとされている。

本部社員は、店舗のために業務するか本部のために業務するか板挟みになる立場にたつが、オーナーも含めた関連労働者が結集する労働組合に団結すれば、みずからの業務改革を通してオーナーに不利益を強制するシステムを改革していくことが可能になる。

(3)松本オーナーを先頭としたオーナーの「24時間義務化廃止」闘争の勝利的地平と、それに対する資本のつぶし攻撃との闘い。

 大阪地裁、高裁の司法的闘いでは敗北したが、支援運動を通して、闘いの拡大を切り開いてきた。この地平は、最高裁の結果がどうであろうとも潰すことはできないし、後戻りさせることもできない。

 もちろん、最高裁で勝利した場合は、巨大な情勢となることは間違いないが。

 加盟店ユニオンが事実上闘争放棄したなかで、コンビニ関連ユニオンに結集するオーナーは、「24時間営業義務化の完全廃止」「業界改革」「オーナーの裁量権獲得」「交渉権獲得」にむかって次の闘いに進む決意をもって団結していることは大きい。  委員長河野のOFC業務への復帰と店舗回り(=OFC業務を果たしつつ、OFC同僚、オーナー、従業員の組織化の全力展開)の再開は、松本オーナーの闘いを引き継ぎ、やり残した課題を完遂し、全オーナーの闘争へと押し広げていくことになり、そのことで、松本オーナーの闘いも、本当の意味で、価値をもってくることになる。

 その力を基礎にしつつ、「全組合員、全支援の力を総力結集して、本部社員、店舗オーナー、従業員の組織化のフル展開が始まる。

  • 第二ラウンドの課題となる産業別労働組合としての実質をもった組織への飛躍は、本部社員、店舗とどまらず、工場、ドライバーなどへと拡大されなければならない。

 本部正社員の組織化も、セブンにとどまらない。委員長河野の闘いとそのメッセージの拡散は、必ず、ファミマ、ローソンなどのSV層の組織化の展望を引き出す。

 産業別労働組合の意義について、見識をふかめ、その闘い方について、本格的に挑戦すべき段階に来ている。

 あらためて、産業別労働組合運動の視点からの、河野講演会、河野・松本講演会開催の展望をもってすすめる。

  • こうした実質的力量のうえで、セブン資本を決定的においつめ、資本の破綻をついて攻勢を強めてきた。

 そごう西武をめぐる攻防、イトーヨーカ堂をめぐる攻防は、コンビニ関連ユニオンの力量に余るとも言え、合同労組全国協議会の全面的取り組みによらないかぎり不可能だが、この攻防は、株主総会攻防も含めて、セブン資本―井阪体制を打倒する展望をもって切り開かれつつある。

3,情勢

(1)第三次世界大戦(核戦争)の切迫情勢  ウクライナ⇒中国への侵略戦争情勢のとてつもない大きさ、影響力のどでかさをしっかりおさえないと、コンビニ業界の将来を想定できない。半端なことではない。

ウクライナ戦争は、「反転攻勢」が行き詰まり、帝国主義の矛盾と危機を深めている。米帝、NATOにおける、ウクライナ支援反対の世論の高まり、物価高、増税をはじめとした戦争が生み出す社会的危機からするストライキの激増など、開戦2年半をへて、全世界における内乱的、革命的危機情勢を生み出している。

 米帝の歴史的没落、世界支配の破綻は、パレスチナ解放闘争の蜂起的決起を生み出し、戦後米帝的秩序の崩壊にむかって事態は激しく動いている。

 戦争の生み出す社会的危機を、戦争反対の闘いと一体で、戦争を生み出す帝国主義、資本主義を打倒し、新たな社会を建設する方向での階級激突、内乱を促進する方向で闘わなくてはならない。  米帝バイデンやトランプがUAWストライキに「支援」行動をおこなったように、戦争と危機の時代においては、帝国主義者は労働運動の「取り込み」、労働運動が体制打倒につきすすむことの阻止に全力をあげる。岸田も連合の取り込みに必死である。しかし、資本主義、帝国主義に労働者階級をすべてとりこむような力はもはやない。西武そごうストライキのような決起はこれからも不可避におこる。

 そうした決起のひとつひとつを、体制内に収斂させることなく、体制打倒の方向に発展促進させる労働運動の推進軸が不可欠である。それが11月三労組陣形であり、その陣形が形成してきた国際連帯である。  コンビニ関連ユニオンのこれまでの5年間の闘いを維持しさらに発展拡大させるためにも、11月三労組陣形の拡大発展が必要である。コンビニ関連ユニオンはそのためにも全力で闘う。

  • さらに、世界恐慌情勢は、時間の問題。戦争と恐慌が同時的に激化して、社会が根底的に動揺する情勢がそこまできている。

(詳細は略)

  • コンビニをめぐる情勢についてア)(1)(2)の決定的深化が到来した場合にもたらされるコンビニ業界の瓦解的危機

 (1)(2)の情勢のなかで、コンビニ関連ユニオンの基本的責務は、組合員、コンビニ関連労働者の生活と権利を守ることであるが、おきてくる情勢は、社会全体の瓦解的危機、壊滅的危機、膨大な死者がもたらされる危機であり、社会自体の持続的発展自体が不可能と化すともいえるような危機であって、今の生活が平穏に明日も続くというふうな想定のもとで活動することはできず、この戦争と恐慌のもたらす危機を、労働者階級全体、中小事業者の命と生活を守るために、資本主義、帝国主義の危機を、階級社会を廃絶する革命の方向性をもって闘うのでなければ解決しえない。

 矛盾を深め、瓦解していく帝国主義は、自動的に次に社会に移行していくのではなく、帝国主義によって膨大な利益を得て肥え太った資本は、破綻し瓦解するがゆえに、その利益を守るために、下層の労働者、農民、中小事業者、さらには他民族の労働者、民衆に犠牲を転嫁し、屍に屍を重ねてもなお自己の利益を追求する存在であって、そうした支配者階級を打倒さない限り、労働者、農民、中小事業者の現在の生活も未来も守ることはできない。奴隷主をうちたおす奴隷解放闘争以外には未来は開けない。激しい闘争のすえにその未来をひらくことができなければ人類には未来はない。一個の生命である人の社会に永遠が自動的に保障されているわけではない。階級闘争の結果によってしか未来は存在しない。

 そもそも「小売り」は、労働者民衆の平穏な日常生活を前提としており、戦争は小売り業にとっては壊滅的打撃をもたらす。中国市場の喪失、資源や物資の物流の途絶、金融恐慌、資金調達の破綻、負債による倒産など、個人の努力で解決できるようなものでもない。いままで自己の努力で「成功」してきたと考えても、そんなものなど濁流のように流しさってしまうのが、自然災害はもちろんだが、戦争や恐慌なのだ。

コンビニ業界にとっては壊滅的危機を生じる。店舗の経営危機、物流の危機、工場の破綻、本部の経営悪化、となり不可避に、雇用破壊、生活破壊となる。そう遠くない将来到来する可能性のたかい「そこにある危機」

小売は、戦争とは相いれない。軍需産業とは真逆である。したがって、コンビニ業界で働く労働者、事業者を組織するユニオンにとって 「反戦闘争を闘うことは労働運動の必須の任務」である。コンビニ関連ユニオンは、労働組合であるから、少なくとも日本の労組法上は政治団体ではないとされているので、ユニオンとしては、「反戦闘争としての反戦闘争」を組織し担っている反戦団体に集団的あるいは個別的に参加することで、反戦闘争を闘う。直接的には、「大行進」に参加して闘う。そのためにも、戦争をめぐる教宣活動に一層力を入れて、組合員が個別的、集団的に、反戦闘争に主体的に参加でき、そのことで、労働者民衆が、戦争によって犠牲者にも加害者にもならないよう全力で活動する。

そのうえで、戦争と戦争にむかっていく動きの中で不可避にもたらされる労働者、事業者への攻撃、収奪、生活破壊、生命の強奪に対して、命と生活をまもるために全力で戦う。軍事費増大のために進められる増税、社会保障に切り捨て、収奪に反対して労働者、事業者の生活を守る。子供たちや家族が、親類が軍隊に徴兵されることに対しては命がけでも戦う。

戦争にむかう世界情勢のなかでもたらされる物価高、それによる実質賃下げに対して生活を守るために賃上げを求めて闘う。第三次世界大戦にむかうプロセスの中ですすんでいるサプライチェーンの崩壊、そのもたらす物不足、人手不足、事業そのものが成立しない危機のなかで生まれる生活と生命の危機。農業の崩壊がもたらす食料危機との闘い生活を守るために闘う。

コンビニ業界に視点をしぼれば、「24時間営業義務の廃止」を事実上かちとったなかで、時短はできるようになったことで、「休める」という安心感がもたらしたオーナーの安ど感は確かにある。しかし、利益を出すために、また人手不足のために、長時間労働がオーナーにも店舗従業員にも強いられている現実は基本的に変わっていない。

セブンでいえば「24時間営業義務」の付属契約書の見直し、改定は必須で、営業時間、営業日についての裁量権の確立を契約書において明記させるまで闘う必要がある。

店舗の過剰化は、明らかで、オーナーや店舗従業員の生活をまもるためにも、これ以上の過剰出店やドミナントには反対を続けなければならない。

売り上げも低迷しているなかで、発注の強制、廃棄の強制といった本部の優越的地位の濫用と闘う。

本部は、本部利益の確保のために、不採算店の閉鎖、複数店経営への集中、IT化、無人化、タイミーなど非正規雇用の活用(悪用)、大型コンビニ形態の導入などを推進しようとしているが、いずれも、オーナーの契約解除=生活不安、借金苦、店舗従業員の解雇、失業、ダブルジョブ、トリプルジョブ、「すきまバイト」というクアドラプルジョブの増加、低賃金化をもたらしていることと闘う。

コンビニ業界の「成長の終焉」は明白である。セブンにおいても、2023年2~6月四半期で、純利益35%減少になっている。成長に次ぐ成長という「成功物語」でなりたってきたセブンのあり方全体の根本的変革が問われる事態に至っている。

また、円安の進行、物価高、最低賃金の上昇という基礎的数値の激変は、これまで通りのロイヤリティでは店舗経営ができない状況が深刻化しており、セブンの場合、2024年10月には、基本契約28条で規定する「チャージ改訂」の時期を迎える。

そごう西部ストで明らかになった企業売却にともなう雇用破壊、使用者責任の放棄と闘う。

4,第2ラウンドの闘争方針

(1)24時間営業義務化廃止、営業日時に関するオーナーの裁量権の確立のための闘い

 「時短」は認められるようになり、災害時の休業も認められるようにはなったとはいえ、契約書はなんらかわっていない。24時間営業義務廃止、営業時間日時についての裁量権をオーナーにあたえるためには、FC基本契約、付属契約の改定が不可欠でそれを目標とした闘争に突入する。

 これはこれまでの闘いの延長ではいかない。数百人、数千人単位のオーナーの、要望書提出、団体交渉、交渉不調となればストライキの実行という力関係を背景にしてしか勝ち取れない。

 そのためにも、総括で確認したように、産業別労働組合としての、そして団結権、団体交渉権、団体行動権(スト権)の確立された、言い換えれば憲法28条、労働組合法に保護された労組法上の労働組合としてのコンビニ関連ユニオンに結集して、継続的な闘争、教宣活動、社会的キャンペーン活動、団体交渉をつみかさね、その結果としての、ストライキ権の行使と、それを背景としての交渉で契約改定を実現させるという、労働組合としての王道の闘いをやりぬく。

 そのためには、組織拡大に全力をあげる。また、第二段階での闘い方について、周知、一致をかちとる。

 FC契約書の営業時間規定の改定を求める要求書の提出、要求を議題とした団体交渉、社会的キャンペーン。そのさきでの本格的ストライキの実現をめざす。

 店舗従業員の給与問題もあり、営業時間要求とロイヤリティ(チャージ)引き下げ要求を一体的に提出、要求する。

  • 人手不足解消のためにも店舗従業員の賃上げを可能にするロイヤリティ(チャージ)引き下げの要求を(1)と一体で提出し継続的に、本格的に戦う。

その実現のためにも、店舗従業員への組織拡大。

店舗従業員とオーナーの統一要求の提出と継続的要求行動、団体交渉、オーナーと一致団結したストライキの実行をめざす。もって、スト時の賃金損失分含む時給のアップ、それを可能にする、かつそれを上回るロイヤリティ(チヤージ)引き下げをかちとる。

2019年10月頃も全力で取り組んだ課題だが、セブンの場合は基本契約58条で「契約の条項に規定される数値が、社会・経済情勢の急激な変動または物価変動の継続による価格体系の変化などにより合理性を失うに至った場合には、・・・改訂できるものとし、そのためこの基準値が定められた昭和54年10月1日から5カ年間経過するごとに、店舗オーナーの意見をきいたうえ、見直す」と定めており、その5年ごとが2024年10月に到来することから、チャージ改訂要求の大運動をおこすべき時をむかえている。

  • 要としての本部社員の組織化

①本部社員の長時間労働の根絶、精神疾患の根絶。固定残業制の改定要求=法定労働時間の遵守と 24時間営業義務化廃止要求の一体的提出。家族の犠牲を当然とするような転勤規定の改定。自爆営業を当然としてきたパワハラ、セクハラの根絶。パワハラ上司的社員のありかたこそ成長期モデルだったが、もはやそのあり方では会社は存続できなくなる。

②本部社員の服務規程の拡充、順守とコンプラアンスが満たされる勤務への業務見直し要求

●オーナーとの高度の信頼関係、適切な「助言、指導」の確立オーナーとの信頼関係確立のために、ロイヤリティ(チャージ)改定要求の統一的提出。オーナー家族を養え、店舗従業員とその家族を養える賃金保証が可能となるモデル経営実現を目標とした本部社員の業務への転換。

初期投資が回収され、平均的労働者の退職金相当額以上が残される経営モデルへ。

クレーム処理マニュアルの改善

●最低賃金レベルの店舗従業員賃金の向上と人手不足の解消店舗従業員の違法残業、有給取得、社保確保。それを可能とするロイヤリティに。

正規雇用を基本とするモデル経営の実現へ。

店舗従業員雇用に関する法令遵守する経営に助言、指導する。本部社員の責務の明確化。「コンビニバイト」と称される貧困を無くす。

●本部社員の助言、指導の改革

本部の助言指導責任を全うするとは、店舗従業員賃金の改善、オーナーの得るべき利益を保障した適正なロイヤリティでなくてはならない。

その他、オーナーや店舗従業員の利益、要望に踏まえ、かつ、全国の経営実践の教訓を反映しオーナーと店舗を「共存共栄」にふさわしい経営が可能にする本部社員の業務改革を実現し、オーナーとの紛争の極小化を実現する。

 ●本部社員の権利拡大に向けて労働者代表選挙での勝利、安全衛生委員会への参加と労働条件の具体的改善の実行。

地区事務所管理職と正しく闘う。組合認容から組合掲示板、組合事務所要求の実現。

コンビニ関連ユニオンのあらゆる職層、職域の拠点地区建設。

コンビニ職場から人権侵害を根絶する闘い。

  • 工場、配送など関連事業者の経営実態の解明と、そこでの本部との闘い方の編み出し。要求内容の確定。組織拡大。団体交渉参加の実現。

 工場向けビラ、配送ドライバー向けビラの作成と活用要請。

  • その他、各種職層の組合員の生活実態に根差した要求のとりまとめと、その統一的一体的な産別課題への練り上げ。

 その実現のための、本部社員、オーナー、店舗従業員、関連事業者、関連労働者の一体的産別的統一闘争の方針確立。系統的継続的闘争、系統的継続的団体交渉。統一ストへ。

  • これまでの総括と、第二段階の闘いの方向性を概要的にまとめたパンフレットの発行。 プロモーション動画の作成、配信。

 ブログ、SNSでの配信の目的意識性もったものへの点検と改革。

 機会をとらえて、第二段階の闘いをメディアに明らかにし社会的に拡散させる。

 第一段階勝利の総括と教訓を文章化して公表する。

  • 全国的オルグのために、コンビニ関連ユニオン委嘱のオルガナイザー、相談役の組織化とオルガナイザー研修の実現。
  • そのうえで、個別組合員(オーナー、店舗従業員、関連労働者、本部社員など)の相談に丁寧におうじ、課題に応じた闘いの在り方を編み出し、闘いをとおして組合活動家の育成をめざす。
  • 専従体制の確立のための闘い、基軸的組合活動家の育成の闘い。執行委員会の定期的開催と、WEB会議の活用。
  • 全国的機関紙の発行
  • 財政の充実
  • 労働運動全体の再生、ストライキ復活のための闘い  合同労組全国協への参加と闘争共有、連帯、

 3労組陣形の労働者集会への組織的参加 当面11・19への参加  産別労組の大先輩としての関西生コン弾圧との闘いとその支援  戦争、改憲阻止大行進がよびかける反戦闘争への集団的、個人的参加。

  • 戦時下への突入のなかで反戦闘争としての反戦闘争への参加  ユニオン内での研修、教育活動、またユニオン外の講演や集会、研修への参加をとおして、組合員が自主的、主体的に、また個別的、集団的に反戦闘争に参加することを拡充していく。
  • そごう西部売却にかかわるその後攻防について  第二波、第三波ストが不可避になっているなかで、第二波スト実行を促進し、激励し、支援体制の拡充拡大、戦線・支援陣形拡大を呼びかけるビラの作成と配布。

 全国のそごう西部店舗、および閉店がもくろまれるイトーヨーカドー店舗従業員と地域住民を対象に、全国協傘下の各ユニオンの協力を得て配布してもらう。

 情勢の進捗をみつつ、二次ビラ、三次ビラを追求する。

 11.19以後は、情勢をみつつ、再度激励行動を組み、来年5月のセブン株主総会を視線をおきつつ、可能な激励行動と合同労組全国協への組織化を追及する。イトーヨーカドー閉店=解雇攻撃との闘いを位置づけたい。

 百貨店情勢について、国鉄民営化から地方の衰退、新自由主義による社会破綻としてとらえて、分析研究する。(各地ユニオンに地元紙はじめとした情報集中をお願いする)

  • 来年5月のセブンアイHD株主総会と東日本橋一丁目店オーナー虐殺の日=7月11日は意識して進む(どうするかは近づいてから)。
  • 大会議論や今後の討論をとおして、方針の充実を図る。

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